予想通りに静留がいた。見渡すと他には神崎しか見当たらない。
「あらなつき」
静留の会長任期ももうすぐ終わろうとしていた。
今は以前のように生徒会室を訪れパソコンで調べ物をすることもない。
それでもこうして度々訪れ、他愛ない談笑をしていた。
「珠洲城たちは?」
「今は学内の見回り行ってますえ」
「そうか」
珠洲城がいないのはかえって都合がいいが、雪之には用があったというのに。
だが珠洲城と雪之は常に一緒なのだからしょうがない。
「珍しいね、遥さん達に用があったのかい?」
神崎を見る。こいつに頼むのはなんか気が進まない。
別に悪いやつではないし、いけ好かないが嫌いなわけではない。
むしろいい奴なんだろう。結局はなんとなくというやつだ。
舞衣は楯となんか話しててバイトが相も変わらず忙しく、せっかくだし邪魔しちゃ悪いと思って声を掛けなかった。やはり舞衣に頼んでおけば良かったかと思ってもここまで来たのなら引き返すのも面倒くさい。
「なつき?」
いつまでもドアの所に立っていた私にどうしたのかと静留が問い掛ける。
こんなこと、私らしいとは思わないがそんなことに気をもんでいるのもバカくさい。
「神崎」
私は持っていたカメラを手渡した。
「よろしく」
神崎は不思議そうに私とカメラを交互に見るが、すぐに私の意図を汲み取ってくれたようだ。普段と変わらずお茶を飲みながら、生徒会長にのみ許された白い制服を纏い、いつものイスに座っている静留の後ろに何も言わずに立った。静留はまだ状況を掴めていないようだ。さすがの静留も首を捻っているのがわかる。
「じゃあいいかい?二人とも」
それを合図に神崎はカメラを構えた。
静留にせがまれ無理矢理プリクラを一緒に撮らされたことはあったが、こうして写真を撮るのは初めてかもしれない。
舞衣の教室を訪れたら瀬能がもうすぐクラス替えだからと舞衣や原田達と写真を撮っていた。そこに私も巻き込まれた形になったのだが、そもそも私はみんなとクラスが違うのだから関係ない。
だがもっと関係ない命もいるのを見て言い訳が全く意味のないものであると気付いてしまったため、結局混ざることになった。あの様子じゃ、奈緒なんかも記念だなんだと言われ瀬能に付き合わされるのは容易に想像できた。もしかしたら既に付き合わされた後かもしれないが。
「なつき?黎人さん?」
さっき神崎がしたように、静留は私と神崎とそしてカメラを交互に忙しく見ている。
そんな静留がおかしくて少し笑えてくる。
「神崎」
「それじゃいきますね」
「え!?」
私は静留の肩に左手を、片方は静留の顔のすぐ横でよくある写真のようにピースをする。自分で言うのもなんだがちょっとぎこちない。
「ハイ、チーズ」
「え!?」
こちらもよくある掛け声でシャッターを押す。
カシャッと音がした。
「な、なつき!?」
「いつまで驚いてんだ?」
「せやかてっ」
「なんならもう一枚撮っておくかい?」
「いやいい。すまなかったな」
「僕なんかで良ければいつでも」
「じゃあ邪魔したな」
神崎から瀬能に借りたカメラを受け取り生徒会室を出ようとしたが、誰かが私のブレザーを引っ張った。
「ちょお待ってなつき!あかん、今のあかん!」
「何があかんなんだ?」
「うち今すごい情けない顔してもうたやないの、そんな写真イヤどす!」
やっと状況を飲み込んだ静留はそんなことを必死に訴えてきた。
「別に変な顔なんかしてませんでしたよ、静留さん。まあ確かに珍しい表情ではありましたけど」
「黎人さん!」
「記念だと思っとけ」
「そんな記念嬉しくありません!」
語調は強いが頬を染めながら言われても、相手が静留とはいえ怖くはない。
「・・・せやけどなんでなん?いきなり写真やなんて」
「ああなんとなく。・・・静留と撮るのもいいかなって思っただけだ」
「なつき・・・」
「出来上がり楽しみだな」
「え?あ、せやからもう一回」
「一枚あれば十分だろ、じゃあな」
「なつき!!」
ドアの扉を閉めぬまま生徒会室を出た。
「くくっ・・・」
「黎人はんっ///」
「いや失敬」
写真なんて慣れてないせいか本当は恥ずかしくてしょうがない。
でも一枚くらい静留との写真があってもいいと思った。早く見たい。
出来上がったら静留の分も持って、からかいに行こうと決めた。

絵描いてたらちょっと浮かんできたから書いてみた。
いつだかカガリで写真ネタ描いた(書いた)けどカガリはカガリです。なつ静はなつ静です。だから気にしないようにするの(うわぁ〜)
なつきさん切れてるよ。黎人さん撮るの下手だな。←無意味に責任転嫁
部屋にこっそり飾ってるのを見られて逆にからかわれるなつきさん(*´∀`)




















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